The French Suites　Embellished version　BWV 812-817　
Barenreiter URTEXT (ベーレンライター原典版)　

新バッハ全集で、《フランス組曲》B稿とされているもの。
《AMBの音楽帳》に見られる初期稿は、現存するバッハ本人の唯一の自筆譜（全5曲）。
全6曲版としては、生徒のひとり、アルトニコルの筆写譜ヴァージョンで提示された(新バッハ全集A稿）。また、ゲルバーおよび"不明筆者5"によって筆写された、後年の装飾音つきヴァージョンが存在する。B稿は、この装飾音つきヴァージョン筆写譜をまとめたもの。
現在、もっとも頻繁に演奏されているヴァージョン。
現存している、数種類の装飾音つき筆写譜をもとに、20世紀を代表するバッハ研究者アルフレッド・デュルが校訂を行った。

装飾音は恣意的につけられており、演奏に適当なのか、バッハが生徒の練習のためにつけたものなのか、また、本当にバッハがつけたかどうかさえ、はっきりしない。そのことから、校訂者デュルは、演奏者が独自に装飾音の取捨選択をおこなうことが必要だと示唆している。

装飾音の奏法について、バッハがヴィルヘルム・フリードマンのために書いた、「装飾音表」の自筆譜ファクシミリを収録。
新バッハ全集からの原典版。